この本では、生産性を上げることを、同じ労力・時間でより多くのアウトプットを出すこと(= バリューのある仕事)としており、バリューのある仕事とは課題の質(これをイシュー度と呼んでいる)と解の質のマトリクスで表し、イシュー度と解の質がともに高い状態を指しています。
イシュー度 -> 自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
解の質 -> そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い
そして、ここで解の質を最初にあげようとするアプローチ(労働量、努力や根性で解を出すこと)を「犬の道」と筆者は読んでおり、先にイシュー度を上げるアプローチの重要性を説明しています。
理屈としてよく分かるし、(ケースとしては稚拙なものですが)何か問題解決するときに、問題内容を正確に理解せず思い込みでインプットしたのち、出した答えは何の価値もないものだったという経験は何度もあります。
働きをかけるベクトルは正しいものでなければ、その働きは何の意味もなく、当然生産性はステイどころかマイナス成長してしまいます。
(生産性 = 成果/投下した労力・時間 という方定期式で考えると、分母を無駄に増やしていることになる)
かといって問題を把握することに時間を費やしても、成果は出ないので、いかに効率的に・的確に問題を分析するかが重要になるかと思います。この本の序章以降はその辺りが書かれていました。
ただ、全体的に出てくるケーススタディが物流だったので、今の仕事に転換イメージするところで止まってしまい、序盤 〜 第1章(イシュードリブン - 「解く」前に「見極める」)あたりウンウンと頷いて読んでいましたが、後半は流す感じになってしまいました。
最後に、この本で刺激を受けた事として、以下を抜粋します。
どんなイシューもサブイシューも、答えを出して初めてそれに関する仕事が終わった、と言える。ここで大切なことは「停滞しない」ことだ。 要は手早くまとめていくのだが、そのためには次のコツを知っておきたい。
停滞を引き起こす要因として、最初に挙げられるのが「丁寧にやりすぎる」ことだ。- 中略 - 生産性の視点から見ると、丁寧さもすぎると害となる。- 中略 - 単に丁寧にやっていると、スピードだけでなく完成度まで落ちてしまうのだ。
『第4章アウトプットドリブン > 軽快に答えを出す > 回転数とスピードを重視する』より
ここでは丁寧すぎること指摘されていますが、継続的に・適切なボリュームのイシュー立てを行うことは大事だなと思うのでした。いつまでも閉じれないイシューや、定期的に見直しが必要なのにケアされていないイシューがあるケースを思い返しつつ…