ちくわ

ちくわにきゅうりを入れるとうまい

正しさについて考える機会

この投稿は、GMO Pepabo Managers Advent Calendar 2019 7日目のエントリーです。 なんと前回の本ブログの投稿が去年のアドベントカレンダーなので、実に 1 年ぶりということになります。

最近読んで面白かった本を紹介

最近こちらの本を読みました。内容は、正義について高校を舞台に話し合うというものであり、少し前に話題になったトロッコ問題も出てきます。ここ最近読んだ本の中では(会話形式が続くため読みやすいというのもあって)二日程で一気に読み終えました。

著者の飲茶さんは「哲学的な何か、あと科学とか」というサイトでタイトル内容のことを書かれており、ネットでよく読んでいました。ちなみにこの記事を書くにあたりそのサイトを探したところまだ健在しており、当時のまま時が止まっており懐かしさに包まれました。訪れると約15年前のインターネットを体感することができます。確かこの頃はブログがで始めたぐらいで、多くのサイトは素朴な HTML やテーブルタグを活用して作られていました。僕も黒歴史のようなページを作った記憶があります。

内容紹介

この本のタイトルにもある通り、正義をテーマにしています。何を持って正しいとするか、その判断基準が三つに分に分けることができ、それが「平等、自由、宗教」と書かれています。そして、この三つの判断基準についてこのように解説されています。

平等 :「功利主義」

全員の幸福度を計算し、その合計値が一番大きくなる行動を取ることが正義

自由 :「自由主義」

個人の自由を守る行動を取るこが正義

宗教 :「直観主義」

良心に従って道徳的な行動を取ることが正義

より詳細な判断基準の内容や、その歴史や背景などに興味があれば、ぜひこの本を手にとって読んでいただければと思います。それぞれの主義の問題点や主張していることが解説されており、「宗教」と出てくると距離を感じしまうかもしれませんが、内容についての説明も厚く三つの主義の中では個人的に一番発見がありました。また、主人公はこの主義の中で挟まれることになるのですが、その答えやいかに。

省みて

今まで、正義や正しさについてテーマにあげて考えたことはく、この本の主人公のように『何が正義かなんて人それぞれで、正解なんてないから考えたり議論しても意味がない(本書引用、若干要約)』と捉えていました。しかし、その背景や主義について整理され、それぞれの抱えている課題があるところまで見えたことにより、未知のものが整理整頓されて深く考えることができる経験となりました。

仕事をする中でも、システムとしての正しさは論理的に導き出されたとしても、そのシステムを良くしていきたいと思った時にどう良くするかは、人によって違ってくることも出てくると思います。それぞれの(良い|善い|正しさ)を持った上で主張がすれ違った時に、互いの正義があるためにすれ違いが生じてしまうことは想像できますし、個人的にもそういった経験があります。

そういった時に、その人の考える正しさがどういったものかを推察したり、深掘りして話し合うことで、人同士の対立から対課題という視点にシフトさせることができるかもしれません(この辺り、理屈と実践ではかなりハードルがありそうですが)。

他の作品

本書の文体や内容が気に入れば、同著者が出されている本でこの辺りもオススメです。哲学そのものを勉強したいとかそういう気持ちはなくても(僕はそんなに持ってません)、読み物として様々な考えをしることができ、章毎に話が完結してるので、適当に開いたところから読むことができて隙間時間にもってこいです。